HakuTouGin

年來自分が考へた叉自分が多少實行し來りたる處世の方針は何處へ行つた。前後を切斷せよ、妄りに過去に執着する勿れ、徒らに將來に望を屬する勿れ、滿身の力を込めて現在に働けというのが乃公の主義なのである。                      「倫敦消息

2008/07/12

図書館

に久々に行ってきたので.

町田康『浄土』
ガザニガ『脳の中の倫理』
日本の名著『西田幾多郎』
など.町田康は安心して読める.短編集.「自分の群像」という話では女性が主人公であったが,他に女性が主人公のものはあったろうか.

ガザニガは学術書ではなくもっとふわっとした本だったので拍子抜け.小話が多くて蒙昧な僕としてはいろいろ面白いが.応用倫理としては特に目新しい主張はないようである.やけに倫理学者に対して攻撃的である.あほうの集まり,とでも言わんばかりのように見える.誤解をもたせることによって科学者をカリカリさせるのは哲学者の責任であろうか,おそらくそうであろう.近年のフォーダーはそういった点で,危険かもしれない.少なくとも公演中に生物学者を怒らせて帰らせるだけの威力はあった.

やっぱ西田は無理かもしんない.

しかしいつのまに「エコ」という言葉がここまで膾炙したのであろうか,ほんの10ヶ月前にそんな単語を耳にすることはなかった,純粋に驚いたのである.