幸村誠『プラネテス 4』
第一部完,だそうで.別にこの話SFでする必要ないね,とか思ったり.でも(自称)宇宙人が出てきたりしたり.
僕はむかし人と人とが判り合えないのは,宇宙人みたいにテレパシーが使えないからだと思っていた.もし思っていることが直接伝えられるなら,お互いは理解し合えるだろう,テレパシーでも,あるいはサトラレでもいい.そうじゃなくて言葉を使うから,いろいろ面倒が起きるんだ.いくら言葉を費やしたって,どれほど詩人が努力したって,その思いは巧く表現できないし,他人の頭の中で言葉が理解されるときにも,大きく誤解の余地があるに違いない.千の台詞を連ねても,身振り手振りを加えても,どうしたって,自分と他人の間にはノイズが入り込むんだ.ケーブルで脳を直結できたらいいのに.なんていう風に思っていた.
それは端的に間違いだった.人には伝わらないかもしれない本当の心,っていうものがそもそもなかったんだ.頭ん中を開けたって,そんなとこにそんなものはないのだ.もちろん僕らに心はある.けどそれはあるっちゃあるけどないっちゃないのだ.この微妙な立場は定式化されるだけでなく,広まらなくてはならない,と感じる.
第一部完,だそうで.別にこの話SFでする必要ないね,とか思ったり.でも(自称)宇宙人が出てきたりしたり.
僕はむかし人と人とが判り合えないのは,宇宙人みたいにテレパシーが使えないからだと思っていた.もし思っていることが直接伝えられるなら,お互いは理解し合えるだろう,テレパシーでも,あるいはサトラレでもいい.そうじゃなくて言葉を使うから,いろいろ面倒が起きるんだ.いくら言葉を費やしたって,どれほど詩人が努力したって,その思いは巧く表現できないし,他人の頭の中で言葉が理解されるときにも,大きく誤解の余地があるに違いない.千の台詞を連ねても,身振り手振りを加えても,どうしたって,自分と他人の間にはノイズが入り込むんだ.ケーブルで脳を直結できたらいいのに.なんていう風に思っていた.
それは端的に間違いだった.人には伝わらないかもしれない本当の心,っていうものがそもそもなかったんだ.頭ん中を開けたって,そんなとこにそんなものはないのだ.もちろん僕らに心はある.けどそれはあるっちゃあるけどないっちゃないのだ.この微妙な立場は定式化されるだけでなく,広まらなくてはならない,と感じる.
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