HakuTouGin

年來自分が考へた叉自分が多少實行し來りたる處世の方針は何處へ行つた。前後を切斷せよ、妄りに過去に執着する勿れ、徒らに將來に望を屬する勿れ、滿身の力を込めて現在に働けというのが乃公の主義なのである。                      「倫敦消息

2007/03/06

サイードに

言われるまでもなく,僕らはみんな非常にローカルな存在であって,一つ所から抜け出せる訳はない.ライプニッツに聞くまでもなく,僕はここにいるかそこにいるかであって,一つのものが二つの場所を占めるわけにはいかない.命からがら逃げ出してきた人が骨を埋める場所としてここに来た場合,もはやその人はここに根付いている.僕はどうしたいのか,おそらくは移民になる覚悟なんかない.しかしするといつまでもここに根付いた存在にはなれない.何がしたいのか.どうしたいのか.生まれた場所,育った場所はいつもついてまわる.そして,今自分がいる場所も,たった一カ所しか選べない.

4 Comments:

Anonymous 匿名 said...

ところで,ライプニッツが言っているのは,空間的に異なる位置を占めるものどうしでも,「空間的に占める位置が異なる」ということ以外はすべては同じ,というものは存在しないということらしいよ.「空間的に占める位置が異なる」ということ以外はすべて同じものが存在する理由がないから.

8:01 午前  
Blogger urbe said...

なるほど.僕の素朴な理解はだいたい次のようなものです.
いかなる性質F,対象x, yについても,もしFxなときいつでもFyなら,xとyは同じ.そしてその逆もまたしかり.
ライプニッツが用いた文脈はもっと違うことを述べているということなんでしょうか.興味深いです.ところで工業製品とかは*ほぼ*同じ,ですよね.ひとつとして同じものはないのでしょうか.純粋なH2Oとかはどうでしょう.違う場所を占めるという以外はいかなる性質も同じと思うんですが,違うんでしょうか.

12:55 午後  
Anonymous 匿名 said...

「いかなる性質F,対象x, yについても,もしFxなときいつでもFyなら,xとyは同じ.そしてその逆もまたしかり」で,この性質に「空間的な位置」を含めないなら論理的には上記のコメントと同じ意味になりますね.

ライプニッツは,どこだかの屋敷で,この屋敷の庭にはひとつとして同じ葉は存在しないといって,反対者が一生懸命探したけど見つからなかったという話があるらしいです.

工業製品なんかは厳密には違いそうですけど,量子力学のひとつの原理として,「同じ種類の量子(電子どうしとか)は見分けがつかない」というものがあるので,ライプニッツの原理は量子力学に抵触します(だから純粋なH2Oも見分けがつかないはずですね).

文脈としては,やはり充足理由律から出てきているみたいですよ.すべてのものには理由がある→まったく同じものがふたつ存在する理由がない→まったく見分けがつかないものは同一である

4:26 午後  
Blogger urbe said...

そのライプニッツのエピソード面白いですね.ライプニッツ読んでみたいです.充足理由律というのが僕分からないです.なんでしょう?このあとグーグルしてみるんですが,勉強不足です.

8:01 午前  

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