HakuTouGin

年來自分が考へた叉自分が多少實行し來りたる處世の方針は何處へ行つた。前後を切斷せよ、妄りに過去に執着する勿れ、徒らに將來に望を屬する勿れ、滿身の力を込めて現在に働けというのが乃公の主義なのである。                      「倫敦消息

2008/01/04

檸檬

http://www.nytimes.com/2007/12/24/us/24shopdrop.html

ついに,梶井基次郎に世界が追いついたな.
shopdropping という造語があるそうだ.

僕はとはいえ梶井基次郎はあんま好きだとおもったことはない.中学生のとき,かせきさいだあのラップがかっこよかったから,とりあえず「檸檬」を読んだのだと思う.そのあといちようどうせ短いので代表的なものは一通り読んでみたが,あんまりおもしろくなかった.基本的にもっと濃い日本語が好きなようだ(多分自分はよう書かないから).
あの曲は聴きすぎて,ほとんどそらでラップできるくらいだ.さあ以下をラップしてみよう:

僕はずいぶん素早く汽車から降りたため,雲を焦がしたくらいさ
梶井基次郎の檸檬の中に出てくるような街の中は
ほこりっぽいにおいが立ち込める,通り雨のあとで
また鳴きだしたセミの声響く路地は,こまえと化したかのよう
遠くから聞こえる祭囃子,背筋を伸ばしたひまわり
横をすり抜ける少年の,跳び越す水溜りをまただいでから
ちょうどそこの角を曲がるぼくの視界に飛び込むのは
どこか大人びた君と,もこもこと,ソフトクリームのような入道雲