HakuTouGin

年來自分が考へた叉自分が多少實行し來りたる處世の方針は何處へ行つた。前後を切斷せよ、妄りに過去に執着する勿れ、徒らに將來に望を屬する勿れ、滿身の力を込めて現在に働けというのが乃公の主義なのである。                      「倫敦消息

2010/01/09

日記

息継ぎ感覚で,風呂上りに,

A. W. Carus ``Carnap's intellectual development'' in The Cambridge Companion to Carnap 2007

をながめる.カルナップもヴィトゲンシュタインと同じように第一次世界大戦に参戦していたとはしらなかった,西部戦線で.そしてこれまたヴィトゲンシュタインのトルストイとは逆に,塹壕でアインシュタインを読んでいたらしい.

そういえばちょっと前にムーアの自伝というか自分語りを読んだが,あれほど地味な人も少ないんじゃないかと思った.

ところで「実験哲学」などと騒ぐ人がいるが,自信をもってくだらないと述べることができる.

というか何が目新しいのかが分からない.原理的に実験が必要であることは当たり前なのであって(必要なところに),ずさんで科学的に適切とはいえないアンケートをして何が楽しいのか.ミクシィランキングじゃないんだから.

それとも,論理学以外で,本気でアームチェアだけで何かしようと思っていたとでもいうのだろうか?

何回も言うがマシェリースティッチの意味論論文はひどい,あれ読んで実験哲学もくそもないと思ってしまう.最近はもうちょっとまともになっているのだろうが.

追記.

例えば,このサーベイでは

http://philpapers.org/surveys/results.pl

5割近くの職業哲学者が自然主義に傾倒している,と答えている.
では問わなければならないのは,「どうして実験をするのか」ではなく,「どうしてしないでよい時があるのか」である.

あとモーラル心理学って結局何してるの?ただの心理学じゃないの?っていう素朴な疑問がある.

スティッチは最近見たので満足.プログラム的な話としてはいいんじゃないかなと思った.でも皮肉なことに,普通科学化した認知科学者的には,おおざっぱすぎてどっからどう手をつけていいものやら,という感じだと思う.