HakuTouGin

年來自分が考へた叉自分が多少實行し來りたる處世の方針は何處へ行つた。前後を切斷せよ、妄りに過去に執着する勿れ、徒らに將來に望を屬する勿れ、滿身の力を込めて現在に働けというのが乃公の主義なのである。                      「倫敦消息

2006/11/12

哲学史

院生の哲学史必修をなくそうという機運が,院生の間で多少なりともあるのを知って愕然とする.意外に?北米人は古典を結構読んでいるのがえらいところだったのに,これはいけない.断然僕は反対しよう.大学に行っても滅多に緑色の第一批判をみかけない,というのは新鮮といえば新鮮だが.

ところで日本では,哲学史はしっかりしているようで,学部生に古典をあんまり読ませないという気がする.古典は大事大事とくりかえし諭されてきたのに,これはどうしてだろう.ひょっとして翻訳はダメだ,原典を読まなければならない,で学部生にそれは無理だ,という発想があるのだろうか.知っている人がいたら教えて下さい.翻訳を読むのが悪いことでないなら,「哲学入門1」とかそういうタイトルの授業で,国家とか省察とか人性論とかプロレゴメナを教科書にして読ませればいいのに.そして順繰りに何書いてあるか説明すればいいんじゃないのかなあと.文庫があるんだから.

実家の近くの某大学の哲学入門のシラバスを見たことあるような気がするが,これが何がなんだか.アートだら脳死だら.世間の感心を取り入れよう,がんばろう,というかおりが.ひねりすぎな感じがする.学生としては,学生に歩み寄ったりする必要があるのだろうかといつも思う.